矢野経済研究所(東京都中野区)は2月22日、国内の賃貸住宅市場に関する調査結果を発表した。2021年度の国内賃貸住宅市場規模は、新設着工戸数ベースで前年度比108.9%の33万戸と予測。2020年度は新型コロナの影響で同90.5%、30.3万戸と大きく落ち込んだものの、資産活用需要の底堅さから2021年度はコロナ禍前の水準に持ち直す見込み。
2017年度以降、貸家新設着工戸数は減少トレンドだが、環境問題への取り組みが世界的に進むなか、ZEH仕様の賃貸住宅の供給割合は増加するなど、付加価値の高い物件の競争力が高まっていくと考えられる。
在宅ワークが定着し、都心部から郊外へ住み替える層が一定数顕在化する一方、都市部の賃貸住宅では高い入居率が継続しており、都市型戦略を進める賃貸住宅事業者のシェア拡大が期待される。郊外でも高級路線を積極的に進めることで、アッパー層の入居者を開拓する動きが加速する見通し。郊外の賃料価格帯も上昇に転じるエリアが出るなど、コロナ禍での新しい生活様式の定着とともに、賃貸住宅の住まい方にも転換期が訪れているとした。
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