厳寒期には最低気温が-10℃以下になる北海道では、以前より性能向上リフォームのニーズがあり、一定のセオリーが確立されている。その基本となる考え方や現場の進め方について、山本亜耕氏(山本亜耕建築設計事務所)、武田司氏(丸稲武田建設)、首藤一弘氏(丸三ホクシン建設)に聞いた。
〈※掲載情報は取材時のものです〉
北海道は冬の寒さから断熱改修が盛んで、以前より風除室や内窓設置などの部分断熱が実施されてきた。
確かに「患部」を直接手当てする方法は分かりやすく、いったんは環境が改善されたかに感じるが、かえって部位ごとの断熱性能に大きな差が生じ、例えば窓の寒さと結露こそ減ったものの今まで何でもなかったタンスの裏や押し入れの奥が新たに発生した結露でカビる等の事態を重ねやすい。悪くすると不具合のもぐらたたきのような事態に陥る住まい手も少なくない。
山本氏は「温熱環境の問題は部分の積み重ねでは解決できない。床や壁、屋根、開口部の断熱気密を無理なく連続させることで自動的に問題解決できる工法に発想を切り替えるべきだ」と指摘する。それには断熱気密の理論と実践に長けた施工者が不可欠だ。
そうした考えのもと、北方建築総合研究所ではモルタル外壁に手を加えて耐力壁として活用する手法をまとめており、道内で実践されている。この資料は誰でもダウンロード(PDF)できる。
情報共有の需要性
技術とともに重要なのがプロセス。山本氏は以下の流れを踏む。
①依頼者と面談
依頼者と現地確認し、予算や工期を打ち合わせ。設計者の恣意性を疑われないように、第三者によるインスペクションも提案。
②インスペクション
インスペクターを紹介し、調査費の見積もりを提出。費用の承認後に現地調査を行い・・・・【ほか図面7点など】
続きは『新建ハウジング別冊・プラスワン2019年8月号/リノベ&リフォーム 工務店の一手』(2019年7月30日発行)P54~55に掲載しています。
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