東京都とJBN・全国工務店協会は2月17日、都独自の省エネ住宅支援事業「東京ゼロエミ住宅」の説明会をリモートで開催。東京都の担当者による来年度の変更点等の解説のほか、都内ビルダーの参創ハウテックの尾崎誠一さんが、これまでの東京ゼロエミ住宅採択の経験を踏まえた応募のポイントなどを解説した。
■不動産取得税が5割減免
まず、来年度の東京ゼロエミ住宅に関して、東京都環境都市づくり課の徳田堅課長代理が紹介した(写真右)。東京ゼロエミ住宅は来年度から、現行と同等の性能を水準1とし、ZEH相当の水準2、北海道相当の水準3を設け、多段階化を図る。
太陽光発電システムは必須ではないが、積極的な導入を呼びかける。同時に、冷暖房や給湯の二次エネルギーを電気にしたり、蓄電池システムを設置することも促す。「太陽光発電システムによる電力の自家消費向上を推進するため」という。また、太陽光発電を設置するか、水準2、3の基準を満たしている場合は、不動産取得税が5割に減免されることも説明した。
そのほか、本年度内(3月31日まで)に設計確認審査があった場合は、現行の要綱・指針に基づいて審査。4月1日以降は改正後の要綱・指針で審査されるため、注意を促した。
■他の助成金との併給可能
続いて、参創ハウテックの尾崎誠一さんが、これまでの応募の経験から得たポイントを説明した(写真右)。同社はこれまで12棟が東京ゼロエミ住宅に当選。次世代住宅ポイントやグリーン化事業、こどもみらい住宅などの他の助成金との併給が可能な点をメリットの一つに挙げた。
同社のユーザーの傾向としては、補助金額が戸建で210万円と大きい水準3の希望が多くなりそうだという。ただし、これまでの設計では断熱はクリアできるが「一時消費エネルギー削減率40%以上」はハードルが高いとのこと。対策としては、①窓の熱還流率を自己適合宣言値で入力②日よけ効果係数の算出③通風を確保する措置の有無の判定シート④主たる居室の多灯分散照明方式――などの実施を挙げた。
本年度までは抽選で助成が決定していたが、徳田課長代理は「希望者にはあまねく助成できるよう、来年度は抽選にならないように予算措置した」としている。また、不動産取得税の減免措置については、顧客が忘れないよう、工務店からアナウンスすることも重要だとした。
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