環境省・中央環境審議会の地球環境部会は6月13日、今後の地球温暖化対策の選択肢として、政府のエネルギー・環境会議に提出する2013年以降の施策に関するとりまとめを行った。内容は大筋で了承された。2030年の原子力発電割合(0%、15%、20%、25%)と温暖化対策の推進度合い(施策の大胆な推進、施策推進)に応じて、最終的に6つの選択肢原案を提示した。いずれの案でも、2020年の温室効果ガスの排出量削減率は基準年(原則1990年)比でマイナス5%~マイナス15%にとどまる。週内にもエネルギー・環境会議に報告する。
住宅・建築物分野では、2050年の将来像として、エネルギー供給者と一体的な取り組みにより、ストック平均でCO2のゼロエミッションを目指す。実現に向け、(1)断熱・気密性能の大幅な向上、(2)省エネルギー機器の普及推進、(3)再生可能エネルギーの積極的利用―の対策を進める。
具体的な強化施策の例として挙がったのは、省エネ基準の段階的引き上げやラベリング取得の義務化、創エネ機器設置の原則義務化など。
また、対策が遅れている既存住宅の省エネ化を進めるための方策として、エネルギー供給者に対する需要側の省エネ支援義務付けや、金融との組み合わせによる既存賃貸住宅の断熱化規制の強化や誘導も盛り込まれている。
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