番外編的な位置づけで、ナノ工務店と付き合いの深いオストコーポレーション北関東(栃木県佐野市)の吉田登志幸さんの「ナノ工務店論」を前編・後編の2回に分けて紹介する。これまで紹介した各社の取り組みと併せて読んでいただくと理解が深まるはずだ。
※この記事は、新建ハウジングの人気連載「最少人数で生き残る nano(ナノ)工務店の経営術」(2020年5月20日号掲載)をデジタル配信用に再編集したものです。
吉田登志幸さんの本業は木製三層サッシや高断熱高気密部材、自然素材などの輸入建材販売だ。その傍ら、日本エネルギーパス協会の理事も務めるなど高性能住宅にも造詣が深い。ニッチな建材を扱っているため、顧客もこだわりの強い工務店が多く、ナノ工務店の比率も高い。顧客との付き合いの延長で、吉田さんはナノ工務店に経営や営業、ブランディングの手法を教えるセミナーを開催している。そんな吉田さんから見たナノ工務店の問題点はなにか。
「ナノ工務店の大きな問題点の1つが、『注文住宅=建て主の言う通りにつくること』と勘違いしていること。ほとんどの建て主は建築に関しては素人であり、要望通りにつくると建物性能や使い勝手、美観などに問題が生じる場合がある。結果として、満足度が低くなり、それをつくった工務店の評価まで下がってしまう」と吉田さんは説明する。
同様に営業のやり方にも問題がある場合も多い。よくあるケースが顧客の絞り込みができていないにも関わらず高額の費用を掛けて・・・
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この記事は定期購読者限定の記事です。続きは、新建ハウジング2020年5月20日号(8~9面)に掲載しています。
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