大和ハウス工業(大阪市)は2月17日、戸建て住宅の全工事現場においてWEBカメラの導入を開始した。
戸建て住宅などの小規模な工事現場では、監督が複数の現場を兼務することが多いため、各現場への移動時間や作業員の待機時間が発生。長時間労働の一因となっていることから、同社では昨年10月から一部の工事現場にWEBカメラを導入し、建設DXの実証実験を行った。実験では、WEBカメラから工事状況等のデータを収集し、複数の工事現場を遠隔管理できるシステム「スマートコントロールセンター」にて一元管理を実施。タブレット端末やモニターなどを通じて、現場監督と作業員との円滑なコミュニケーション体制の構築が可能となり、現場監督の業務効率が約15%向上できることを確認した。この結果に基づき、同社は戸建て住宅の全工事現場へのWEBカメラの標準設置を決定した。対象棟数は、全国約7000棟/年(約580棟/月)。
今後は、WEBカメラから得られる映像をAIで分析するなど建設DXをさらに推進し、2026年度までに戸建て住宅現場における監督の作業効率30%向上を目指す。
同社は工事管理業務の最適化のため、2020年10月から日本電気とWEBカメラで記録した工事現場映像のAIによる解析実験を実施。防犯性を向上する、侵入者の自動検知システムを開発した。今後はこれらの技術を活かし、安全管理や管理業務の自動化・最適化を促進。作業場や作業員の危険予知に活用するほか、工事の進捗状況などをデータベース化・AI分析することで工事現場の効率化を図るとしている。
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