雨仕舞いと通気は木造住宅を長持ちさせる基本であり、トラブルも多い。雨を躯体内に浸入させないためには隙間や孔はないほうがよい。一方、通気を確保するためには隙間や孔が必要になる。今回は新築で雨仕舞いと通気を両立させるための手法を紹介する。
バルコニーは漏水や結露の事故の多い部位だ。特に問題となるのが、手摺り壁の雨仕舞いと通気の両立だ。手摺り壁天端に取り付ける笠木により、通気層を塞ぐかたちになるので、通気が不完全になりやすい。さらに通気層の効果を阻害するのが、笠木と外壁の取り合いにシーリングを打って通気層を塞いでしまうこと。通気層による漏水のリスクを抑えることを期待してのことだが、同時に通気層による水蒸気の排出効果もなくなるため、壁体内結露のリスクが高まる。実際、この部位には結露を原因とする事故事例が増えている。
笠木下部で通気を確保
漏水リスクを減らしつつ、結露を防ぐには、笠木周りの防水を確実に行いながら、手摺り壁の壁体内で通気を完結させることが基本になる。そのためには笠木の下部に多孔質の樹脂製パーツをガルバリウム 板で包んだ「笠木下換気部材」を設置するのが1つの方法だ。多孔質の樹脂製パーツで通気を保ちながら、ガルバリウム 板が水切りとして機能し、浸水を防ぐ。
加えて手摺り壁の上部に「腰壁換気部材」を併用する。この部材により、手摺り壁内部の水蒸気を通気層へ誘導することができる。排出された水蒸気は笠木下換気部材から排出される。
これらの部材を用いて、漏水と結露を防ぐバルコニーの手摺り壁の施工方法についてお伝えする。
施工のポイント❶
快適さを自らの手でつくる
●手摺り壁の内外の全周に腰壁換気部材を取り付ける
●あらかじめ手摺り壁上部の透湿防水シートを巻きあげておく
●腰壁換気部材設置後に両面テープを施工し、透湿防水シートを下ろしてスリット部分以外は透湿防水シートで覆うようにする・・・・
【残り写真52枚】
続きは『新建ハウジング別冊・プラスワン2018年9月号/非住宅木造市場を狙う』(2018年8月30日発行)P50~に掲載しています。
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