総合人材サービスのヒューマンリソシア(東京都新宿区)は、同社が運営するオウンドメディア「建設HR」において、建設業界の人材需要と人材供給の差(需給ギャップ)について独自に試算を行った。
建設技術者と建設技能工の需要数は、建設投資額に比例して増減すると想定して、「ベースライン成長シナリオ」、「成長実現シナリオ」、「ゼロ成長シナリオ」の3パターンについて試算を実施。
内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」におけるベースラインケースで経済成長すると想定し建設投資を予測した「ベースライン成長シナリオ」では、2030年の建設技術者の需給ギャップは、2021年の5万9629人から徐々に縮小し、2030年には3万1844人不足すると試算。建設技能工については、2021年の12万792人の不足から徐々に拡大し、2030年には23万1667人不足(2021年比11万875人増)すると試算した。
「成長実現シナリオ」における2030年の需給ギャップについては、建設技術者は最大6万人、建設技能工は36.4万人まで拡大すると試算。「ゼロ成長シナリオ」では、建設技術者は2030年に過剰に転じるとしている。一方、建設技能工は5.9万人が不足する試算結果となっていることから、建設技能工の不足は大きな課題といえる。要因としては、転職での流出者数が流入者数を大きく上回っていることが挙げられる。
これらの結果から同社では、働き方改革の推進などによる職場環境の整備や、国土交通省が推進している「建設キャリアアップシステム」などの仕組みを活用したキャリアプランの設計など、職業としての魅力度を上げる試みに加え、特定技能在留資格制度を活用した外国籍人材の確保に取り組んでいくことも重要になるとの考えを示している。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。