衛星放送や通信事業などを全国展開するスカパーJSAT(東京都港区)は、工務店や住宅会社向けに、テレビや高速インターネット通信を実現するインターネット回線の設置支援に乗り出す。昨年12月には、ポラスグループ・ポラスハウジング協同組合(埼玉県越谷市)と連携し、同社顧客に対して、無料で利用できる相談窓口を設置した。
スカパーが運用する「インターネット・テレビ無料相談窓口」はこのほど、ポラスグループと連携して新築戸建ての契約を結んだ顧客や、過去に同社で新築した顧客を対象とするサービスを展開。顧客の要望や契約状況をふまえ、無料で専門窓口のオペレーターが、最適なテレビ受信方法や光回線サービス、契約形態を提案する。
具体的には、スカパーが総合代理店となって提携するソフトバンク、ドコモ、au(Nifty)の大手3キャリアはもちろん、その他キャリアや、アンテナ・ケーブルなどの一般説明にも対応し、光回線やTV工事の最適なプランを掲示する。他社の場合、個別キャリアでの選択肢しかなかったり、そもそも契約に縛りが付帯したりしているケースもあり、顧客にとって必ずしも条件が合致しない場合が多い。
一方で、スカパーのように複数のキャリアから顧客に選択肢を掲示することができれば、顧客も現在利用するスマートフォンのキャリアプランとセット割引できる経済合理性の高いプランを組むことができるため、通信料の抑制につながる。浮いた金額をローンに充てるといったことも可能になる。
顧客満足度の向上にも
この相談窓口を設置したことによってポラスグループは、顧客へ手厚いフォローが実現できるようになった。インターネットやテレビサービスは、一定の専門知識が必須で、各キャリアが常に新しいサービスを更新し続けるため、住宅営業などの担当者が、通常業務に加えて、全ての知識や動向をキャッチアップしていくのは難しいといった事情があった。
打ち合わせ段階で、回線などに関する具体的な相談を受けた場合、顧客にスカパーの「インターネット・テレビ無料相談窓口」を紹介すれば、あとは専門知識をもったオペレーターが代わりに対応してくれる。住宅のソフトやハードに留まらない“暮らし”まで支援することで、顧客満足度の向上が期待できそうだ。
ニーズに対応した支援で差別化
新型コロナの感染再拡大によって、「おうち時間」が増加し、家族でインターネットやサブスクリプションサービスで動画を視聴したり、夫婦揃って在宅勤務を行っている家庭も増加している。当然、快適に利用し続けるには、大容量の通信速度を実現できる環境が必須となる。
しかし、生活者は、そもそもどの事業者に申込みしたら適切か判断が難しく、家づくりをしながら、それを検討すること自体も煩雑な手間だ。回線は、ホームルーターやモバイルルーターにすれば良いのか、それとも光回線にしたら万全なのか知識が無ければ判断が難しい。
スカパーは、こうした細かなニーズに対応できる「インターネット・テレビ無料相談窓口」を、今後は地域工務店や住宅会社に提供、普及させていくことで、営業提案の差別化を図っていくひとつのサービスとして活用してほしいとしている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。