新建ハウジングが運営する工務店向けオンラインスクールサイト「チカラボ」から、工務店の経営者や実務者に役立つ記事をお届けします。
今回は、石川 仁健さんの「工務店特化型!他社に差をつける住宅ローン講座」ルームからの記事です。
1981年埼玉県生まれ。2004年、木造住宅の耐震補強 部材メーカーに新卒入社。新規事業の企画、開発、営業、提携事業者への技術教育プログラムの策定及び研修講師を担当。既存戸建て住宅の性能に関する知見を得る。2011年、同社の一事業を分社化させる形で設立されたリニュアル仲介株式会社(全国約600社の不動産・建築事業者ネットワーク本部)の創業メンバーとして、執行役員 不動産事業部 部長に就任。不動産売買仲介事業の立上げ及び、売買仲介の実務を経験。これと並行して、2012年からは、国土交通省の中古住宅取引普及促進モデル事業として採択された、首都圏既存住宅流通推進協議会 事務局長を兼務…
住宅事業のプロが考える、
土地+注文建築における融資の注意点とは?
土地と住宅を一体として販売する「建売住宅」と違い、土地と建物が別々の「注文住宅」では、融資時に注意しなければいけないことが多々ございます。
融資はお客様にとってもわからないことばかりなため、工務店側としては疑問や不安点をすぐに解消し、安心して融資実行まで進めていくスキルが求められます。
そこでこのシリーズでは、工務店様が自信を持ってお客様にご案内できるよう、注文建築における融資時の注意点についてまとめました。
ぜひ、参考にしてみてください。
その1:まとまった資金が複数回必要になる
住宅ローンの融資実行のタイミングは、原則として建物の引き渡し時になります。しかし、土地を購入して注文建築で家を建てるとなると、土地の売買契約締結時、土地の引き渡し時、建物の着工時、上棟時、建物引き渡し時など、費用の支払いタイミングは複数回に渡ります。
つまり、複数回まとまった額の支払いをしなければならないということです。
住宅ローンでは、最後の建物引き渡し時にしか融資を受けることができないため、それまでの支払いは自分で用意するか、何らかの方法で調達する必要が出てきます。
建物だけでも引渡し前に代金の60~70%を払わなければなりませんし、加えて土地も代金も用意しなければならないとなると、殆どのお客様にとっては融資を受けなければ工面できない金額です。
そういった場合に利用するのが、つなぎ融資、住宅ローンの分割実行、住宅ローンの土地先行融資などです。
つなぎ融資は住宅ローンの融資が開始するまでに別途支払いを立て替える短期融資です。住宅ローンの融資が実行されるまでの間はつなぎ融資分の利息を払い、建物の引き渡し時に住宅ローンで清算するシステムで、これまでの期間に複数回発生する支払いを用立ててもらえますが、無担保なので金利は住宅ローンより高利になります。
冒頭で、「住宅ローンの融資実行は建物引渡し時」と説明しましたが、金融機関のなかには、住宅ローンを複数回に分けて融資実行する商品をもっているところもありもあります。住宅ローンの分割実行は、ひとつの住宅ローンを複数回に分けて融資実行してもらえる種類のものです。金利は、住宅ローンの金利で融資が受けられます。
また、住宅ローンの土地先行融資は、そこに家を建てることを条件に、土地取得時の住宅ローンと建物の住宅ローンの二本立てで融資を受けることができるものを指します。こちらも住宅ローンの金利で融資が受けられます。
分割融資や土地先行融資の場合、つなぎ融資よりも金利が低いのでお得に見えますが、土地決済時に抵当権の設定が必要となるため、お客様にご説明する際には、この登記費用分も含めての比較をする必要があります…
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