住宅性能表示制度に断熱性能等級6・7が制定されるなど住宅の高性能化が加速している。超高性能住宅では設計の考え方や手法が変わってくる。建築家の西方里見氏(西方設計)に日射利用や蓄熱などのセオリーについて聞いた。
Q. 窓ガラスに求められる性能とはなにか
A.日射熱取得を確保するためのG値と床・壁・天井と同等の表面温度を保つためのUg 値の両立が必要。高い水準で両者の性能バランスが取れたガラスが理想
◉ 西方設計では、3・4地域でUA値0.25前後、5・6地域でUA値0.3前後の高い躯体性能をベースに冬季の室温を確保するために日射熱取得を最大限に利用している。不足する分は床下エアコンなどの暖房設備で補う[図1]
◉ 床や壁、天井の表面温度を20℃前後に保つことで、室温を必要以上に上げることなく快適性を保っている
◉ 日射熱取得のためには、日射を透過しやすいガラスが適しているため日射熱取得率(G値)が重要になる。一方で室内の快適性を保つにはガラスの表面温度を床や壁、天井に近づけることが重要になる。そのためには熱貫流率(Ug値)の低いガラスが好ましい
◉ Ug値とG値はトレードオフの関係にあり両立させるのが難しいが、省エネルギーで快適な住まいのためには高いレベルで2つの値のバランスが取れたガラスが必要となる
Q. 窓の冷輻射はどこまで抑えられるのか
A.Ug 値0.578W/m2・K、G 値0.563W/m2・Kの「ECLAZ」と左右・上枠Uf 値0.71W/m2・K、下枠0.93W/m2・Kの「佐藤の窓」を組み合わせて外気温−5℃で表面温度19℃以上を実現
◉ 2020 年ごろまで西方氏は・・・
続きは『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン/環境問題・エコハウスのウソ・ホント』(2022年1月30日発行)P56~に掲載しています。
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