全米住宅建設業協会(National Association of Home Builders)が、このほど発表した2021年第4四半期の「住宅動向レポート」で、アメリカにおける「住宅のアフォーダビリティ(住宅の適正費用負担)への認識」が、2021年を通して悪化したというデータが示された。
「住宅動向レポート」は、住宅購入予定者の認識変化を追跡するために、全米住宅建設業者協会のエコノミクス・チームが四半期ごとに作成している調査レポート。「ウッドショック」以降の米住宅市場では住宅の値段が高止まりしており、同レポートで示される「住宅のアフォーダビリティ(住宅の適正費用負担)への認識」に対する関心が、米国内外で急速に高まっている。
2022年第4四半期の調査で、「市場で販売されている住宅の半分以上がアフォーダブル(手頃な価格)ではない」とした住宅購入者の割合は76%だった。2020年第4四半期は63%、2021年第1四半期は65%、2021年第2四半期は71%、2021年第3四半期は73%であったため、昨年1年間を通して割合が上昇し続けたことになる。
地域別のデータを見てみると、「市場で販売されている住宅の半分以上がアフォーダブル(手頃な価格)ではない」とした住宅購入者の割合は、南部と西部において昨期比で上昇した。北東部と中西部においては昨期比で若干の改善があったものの、昨年同期比で見ると、アメリカの全地域で住宅のアフォーダビリティが低下している。
新型コロナウイルス感染拡大による住宅需要増に沸いていた米住宅市場だったが、ウッドショックによる資材価格の高騰やサプライチェーンの混乱など、昨年は次々と課題が浮き彫りになった。なかでも、住宅のアフォーダビリティの低下は米住宅市場が抱える最大の問題のひとつだが、インフレ懸念による住宅金利の上昇やカナダ産針葉樹材への関税増など、このところはむしろ逆風が続いているといえる。
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