東急建設(東京都渋谷区)は2月3日、サプライチェーンで多くを占める建築資材に係るCO2排出量について、これまでよりも精度が高く、かつ即時に算出できる独自のツール「積み上げ式CO2排出量算定シート」を開発したと発表した。
同ツールは、「資材を積み上げて算定する方法」により、使用する資材ごとの排出量を高精度で把握することが可能。一般的に使用されている「工事金額から算定する方法」ではできなかった、低炭素型資材によるCO2排出量削減などの取り組み効果を反映できるようになるという。
近年、サプライチェーンを含むCO2排出への対応の重要性が高まっている。建設業においては「購入・取得した資材」の排出量が高い割合を占めているものの、一般的な「工事金額から算定する方法」では工事一式の結果しかわからず、低炭素型資材の活用など各工事の排出量削減の取り組みが反映できなかった。一方、積み上げ式による算定は、資材使用量等の種類が膨大で非常に煩雑であり、資材ごとの原単位が明確でなかったため、建物のCO2排出量の算定は難しいとされてきた。
カーボンニュートラルを目指す企業を中心に、精度の高いCO2排出量算定へのニーズが高まっていることから、同社では独自ルールを設定し、同ツールを開発。資材に関しては、90%以上の物量をカバーできるように重量割合の大きい資材をピックアップし、算定する資材を厳選。資材固有の原単位は、公開されているデータや資材メーカへのヒアリングで補充し、独自のデータベースを策定した。これにより、建築工事の着工から竣工までに発生する全てのCO2排出量を掲示することが可能となった。事前にCO2排出量が把握できるため、より低炭素な資材の採用が促進されCO2削減に貢献するとしている。
今後、同社が受注する建築工事(新築)において、顧客の要望に応じ算定結果を提供していく。
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