LIXIL(東京都品川区)は、このほど、オンラインで2022年3月期第3四半期の決算概要を発表した。純利益(非継続事業ベース)は前年同期比7%増の415億円。世界的な資材の不足や価格高騰によるコスト増など、さまざまな問題があったが、ヨーロッパを中心とする海外での水回り製品の需要が好調で底堅く推移した。
瀬戸欣哉社長は「アジアを中心としたいろんな地域でコロナの問題が起こって、一部の事業で部品の調達難が起こった。物流も逼迫する中だったが、欧米の調子が良かったのとコロナからアジアの一部が回復した」と総括した。
原材料等のコスト上昇により3Qの3ヵ月では減益となったが、従来からの体質改善施策、期初からの販管費削減、外部環境に起因するオペレーション上の課題への対応が奏功し、累計期間では増益、利益率改善を継続。
売上高にあたる売上収益は4%増の1兆744億円だった。事業別の売上収益では水まわり製品のウォーターテクノロジー事業が12%増の6471億円と全体の増収に寄与。他にもコロナ禍により、非接触で操作できる商品に対する需要が好調で事業利益は37%増の617億円だった。
22年3月期の業績予想は売上収益が前期比4%増の1兆4400億円と据え置いた。日本の一部事業では部品供給不安から需要先送りが見られるが、リフォームを中心とした需要は引き続き世界的に堅調と見ており、純利益(非継続事業ベース)は42%増の470億円を見込む。進捗率は、事業利益77%、最終利益88%となった。
今後は足元のオペレーション上の課題への対応は継続しつつ、ニューノーマル社会における新たな事業機会を捉え、成⻑に向けた取り組みを推進していく方針も明かし、「コモディティ価格の上昇を背景にしたビジネス」では従来の水まわり中心のリフォームから住宅全体の性能を向上させるリフォームへの転換を図る。
環境問題への意識が高まっていることから、日本の既存住宅の約70%で使用される単板ガラスの窓を、三層ガラスにリフォームした場合のCO2削減量は、推計で年間約1509万トンにものぼる試算を提示。環境問題の加速に対応したビジネスも注力するとした。
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