地球温暖化防止のための調査・政策提言や教育活動などに取り組んでいるNPO法人気候ネットワーク(京都市、浅岡美恵理事長)は1月31日、今国会での「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」改正案の審議・成立を求める意見書を公表した。参議院選挙を控え、与党自民党が同法改正案の提出見送りの方針だという報道を受け、「脱炭素社会の実現よりも選挙対策の方が重視されている状況は誠に遺憾」と強調。日本のカーボンニュートラルの実現の重要な対策分野として、「先送りすることなく、今国会において審議し、早期に成立させるべき」と訴えた。
気候ネットワークは同法改正案について、建設されれば長期にわたって存在する住宅・建築物は、早期にゼロエミッション化を進めることが急務であるため、「不十分さが多くある」としつつも、「それでも現行の取り組みを前進させるものとなる」と評価。さらに、「国民にとっては、イニシャルコストが高くなる分、エネルギーコスト(ランニングコスト)は抑えられることを十分に周知徹底する」「低所得者など経済的弱者のための住まいこそ対策が強化されるべき」と指摘し、その上で、炭素税導入の議論や税制優遇策とともに検討されることに期待するなどとした。
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