小規模工務店はいかに顧客満足度を高められるかが勝負だ。現場監督は建て主に密着し、現場で仕様のグレードアップを図ることが重要だ。自然派ライフ住宅設計(新潟市)代表の大沼勝志さんに顧客満足度を高める現場監督の動き方について聞いた。
現場監督が1つの現場に寄り添う
社員3名、年間売上1億5千万円規模の工務店では棟数は追えない。人数を多少増やして分業化しても効率は上がらない。
➡むしろ建て主とのコミュニケーションが薄くなってクレームのリスクが高まる。
この規模の工務店はマルチスキルの社員で構成すると安定する。
➡現場監督は段取りや発注、施工チェックのほか見積りや接客、設計など複数のタスクをこなして現場に寄り添う。
現場監督は大手ビルダーの何倍も1人の建て主に労力を費やして顧客満足度を高める。これができる小規模工務店は高い競争力をもつ。
グレードアップで満足度を高める
顧客満足度を高めるには、仕様をグレードアップして建物の完成度を高める方法が有効。
➡予算増になるが、出来栄えがよければ建て主は喜んでお金を払ってくれる。
仕様のグレードを高めるには見積り提案~引き渡しを通じた建て主とのコミュニケーションが重要。その第一歩が見積り提案。見積り提案の際には建て主が何を求めているのかを探る。答えは建て主によって変わる。
➡それを探り当てて提案に組み込むと想像よりいい住宅になると建て主は感じる。そのとき仕様のグレードが上がる。
見積りは記載方法が重要。比較検討がしやすいように材工別など細かく項目を分けると分かりやすい。
➡項目分けが細かいと仕様を変えない限り減額の余地がないことが伝わりやすい。
➡諸経費など内訳が説明できない項目は設けないことも重要。
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この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン2021年6月号 スマート経営に必須の補助金・助成金活用ガイド』(2021年5月30日発行)P.172~175に掲載しています。
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