2021年の夏に、“環境首都”として有名な南西ドイツ・フライブルク市の社会福祉住宅地区ワインガルテンに、木造高層集合住宅が完成した。使用した木材は、構造(柱・梁)、CLT、床・天井、窓枠、ファサード、木質外断熱材まですべて、フライブルク市有林を中心とする地域産のFSC認証材だ。現地取材とあわせて、設計を担当したヴァイセンリーダー建築設計事務所社長のヴァイセンリーダー氏に話を聞いた。
この高層集合住宅は、木質外断熱材まですべて、フライブルク市有林を中心とする地域産のFSC認証材を用いている。製造過程におけるCO2排出が木材に比べて100倍以上になるコンクリートの使用量を抑え、逆にCO2を固定するエコロジカルなマテリアルである木材をできる限り使用した。
木材を地域産の認証材に限定し、輸送エネルギーの削減と森林保全にも最大限貢献することを目指した。建設コストは、一般的な鉄筋コンクリート構造の高層建築と変わらない価格を実現し、主に社会福祉の賃貸住宅として運営されている。環境保護、経済性、社会性、いずれも徹底して追求したものだ。
建て主(オーナー)は、公共団体ではなく「IGクローステレ」という民間の不動産運営会社。同社代表のスッター氏は30年来、廃屋になった古建築を経済的にエコロジカルに改修し、社会福祉賃貸住宅やレストランとして使用する事業を数多く行ってきた地域で有名な事業家。古建築アップビルディングの開発会社・スッター3も経営している。
今回の事業は古建築改修ではなく・・・
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