東京都は、家庭部門の省エネ対策の推進と高い省エネ性能の住宅普及を目指して独自に実施している「東京ゼロエミ住宅」に関して、新たにZEH相当と北海道相当の断熱性能を求める上位基準を設け、多段階化を図ることを公表した。さらに、2022年度から不動産取得税の減免措置など助成制度を拡充し、東京ゼロエミ住宅の導入を促進する考え。
東京都は2019年度から、「東京ゼロエミ住宅」(UA値0.7以下程度、一次エネルギー消費量30%以上程度削減)を新築した建築主に対し、戸建住宅50万円/戸、集合住宅20万円/戸助成する事業を実施している。
今回の基準の多段階化では、「必ず適合すべき仕様」と、3段階の水準を設定した。「必ず適合すべき仕様」は、▽窓:2.33W/m2・K以下、▽ドア:3.49W/m2・K以下、▽照明設備:全室LED(居室以外で1カ所以上人感センサー付)、▽暖・冷房設備:高効率エアコン設置(4~5★)、▽給湯設備:高効率給湯器、▽太陽光発電システム:可能な限り設置が望ましい――など。
その上で、①水準1=現行水準、②水準2=UA値0.6以下、一次エネルギー消費量35%以上削減、③水準3=UA値0.46以下、一次エネルギー消費量40%以上削減――の性能値を求める。
2022年度の助成金も①~③の水準に応じて設定。戸建住宅は①が30万円/戸、②が50万円/戸、③が210万円/戸、集合住宅等は①が20万円/戸、②が40万円/戸、③が170万円/戸――を予定している。また、対象住宅に太陽光発電システムを設置する場合は、1棟当たり12万円/kWを追加補助する(上限36万円)。
不動産取得税の減免措置は、2022年4月1日から2025年3月31日までに設計確認申請が行われた東京ゼロエミ住宅のうち、⑴太陽光発電システム設置、⑵水準2または3の基準を満たしている――のいずれかを満たしている住宅の取得が対象。減免割合は5割(⑴⑵とも該当する場合は10割)。
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