アイカ工業(名古屋市)は、植物由来のフェノール樹脂(リグニンフェノール樹脂)を使用したメラミン化粧板を開発したと発表した。
気候変動問題に対応すべくカーボンニュートラルに向けた取り組みが各方面で推進されるなか、樹脂製品を扱う同社でも、温室効果ガス(GHG)排出量削減のため、バイオマス原料を活用した製品の開発に取り組んでいる。このほど、同社の主力製品であるメラミン化粧板をより地球環境にやさしい製品へと進化させるべく、メラミン化粧板の樹脂原料の一部に植物由来のフェノール樹脂であるリグニンフェノール樹脂を使用する技術を確立。
これによりバイオマス度は60%となり、石化原料が従来のメラミン化粧板より20%削減。また、製品廃棄時のCO2排出量も、従来のメラミン化粧板に対して20%削減となる。リグニンフェノールに切り替え可能な全製品に展開すると、年間で約1300tのCO2削減が見込めるという。杉の木で換算すると約9万本が1年間で吸収するCO2に相当する。
今後は、3月よりサンプルワークを行うとともに、3月1日から4日間開催される店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2022」に出品予定。また、一部のメラミン化粧板アイテムでは、バイオマス度70%の仕様確立も視野に入っているという。
リグニンは、植物を構成する3大要素のひとつ。植物を構成する上で天然の接着剤として機能している。活用が進んでおらず、ほとんどが焼却・熱回収されるにとどまっていたが、気候変動問題の深刻化によってバイオマス原料の活用がより一層求められる中、食料・飼料にならない非可食性バイオマス原料として注目が集まっている。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。