竹中工務店(大阪市)はこのほど、北海道支店の中核拠点である「北海道地区FMセンター」(札幌市)の建て替えにあたり、北海道の亜寒帯気候に適した「木造木質中規模ウェルネスオフィス」を開設したと発表した。
同センターには、戸建て住宅に使用される一般流通木材を活用しながら、オフィスなど大スパンの建物を可能にする新木架構システム「ダブルティンバー」を使用。小断面流通材(120角)の道産材(カラマツ)を用い、3.64×4.55mのスパンを実現した。大断面集成材工場がない北海道において、道内でも加工可能な流通材に、建築用材として利用率の低い道産木材を活用することで、構造・仕上げへの100%道産木材使用を達成した。
木造木質建物としたことで一般的な鉄骨造建物よりCO2発生を70%低減。環境認証として「CASBEEスマートウェルネスオフィス」最高位の「Sランク」と、「建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)」の「★★★★★(ZEB Ready)」を取得している。ABW(Activity Based Working)に基づくプランニングや豊富な地下水を利用した設備システム構築による省エネルギー化などが高く評価された。
センター内の執務スペースは、周囲に共創スペースや廊下などの中間領域「亜寒帯気候の縁側」を配した入れ子構成を採用。南西面の外壁には半透明で断熱性能の高い「中空ポリカーボネート」を使用し、多くの日射を取得することで冬季の暖房エネルギーを抑えている。開口部は、風の流れを計算して自然換気が機能するように設計。道内トップクラスの環境性能と快適性を両立したオフィスで、働く人の健康増進や生産性向上をサポートしていく。
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