経済産業省は1月20日、真空ガラスに関するJIS(日本産業規格)を制定したと発表した。真空ガラスは、2枚のガラス板に挟まれた空間を真空状態に減圧することで熱を遮断する。普及が進むことで建物の断熱性能向上が大きく貢献すると期待されている。
真空ガラスに関しては、求められる性能(断熱性・耐候性など)を規定した国際規格ISO 19916-1が、2018年に開発されている。今回制定された「JIS R 3225」は、国際規格に加えて、断熱性、減圧の状態、耐候性などに関する、品質を確保するための試験・検査方法を、より詳細に盛り込んだもの。
具体的には、真空ガラスの熱還流率を、JIS R 3107(建築用板ガラスの熱貫流率の算定方法)を引用して求めることとした。加えて、対応国際規格による試験方法で熱還流率を実際に測定し、算出値と乖離していないことを確認する。
断熱性の区分は、複層ガラスに関する国内規格(JIS R 3209)の最高水準の1.1W/m2K 以下より、さらに高い0.7W/m2K以下と設定した。
さらに、製品の抜き取り検査(受渡検査)として実施する試験方法について、減圧度の試験方法を新たに開発。2枚のガラスに挟まれた空間が十分に減圧されていることを確認する。
また、対応国際規格による耐候性を調べる加速試験の方法をそのまま採用。加速試験前後の熱貫流率変化が小さいことを確認する。
経産省は今回のJIS 制定の期待効果として、①真空ガラスの性能が信頼あるものとして消費者に伝わること、②製造者側も分かりやすい形で一定の性能を維持できること――につながるなどとしている。
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