住宅リフォーム推進協議会(リ推協、東京都千代田区)は1月21日、「住宅リフォームに関する消費者・事業者実態調査」の結果を公表した。住宅リフォームに関する、事業者対象の「事業者実態調査」と、消費者対象の「実施者実態把握調査」「検討者実態把握調査」を合わせて分析したもの。
調査結果によると、リフォーム実施者のうち、直近のリフォームが初めてだった人が53.1%を占めた。初回リフォームを世帯主年代別に見ると40代が最も多く68.3%だった。住宅の築後年数別では「10年以上~15年未満」が76.5%を占めた。
リフォーム検討のきっかけは、「住宅構造部分が古くなった、壊れた」(実施者44.4%/検討者44.2%)、「設備や機器が古くなった、壊れた」(実施者43.1%/検討者37.2%)が多い。
リフォーム契約時の重視点は、「設備の使い勝手改善」が27.9%(検討時31.9%)、「耐久性の向上」が15.6%(検討時19.3%)が多く、検討時から重視している傾向が伺えた。一戸建てリフォーム層では「耐久性の向上」「耐震性の向上」を重視する傾向がある。
■実施費用は予算を上回る傾向
リフォーム実施者の検討時の予算は261万円と前回調査から微減。実際にかかった費用(補助金を含む)は平均341万円と、検討時の予算を上回る傾向は前回調査と同様だった。予算を上回った理由は、「予定よりリフォーム箇所が増えた」(52.5%)、「設備を当初よりグレードアップしたから」(43.4%)が上位に挙がった。
リフォームにかかった費用の平均を世帯主年代別でみると、50代以上の289万円に対して、20~40代は395万円と高い。検討者の予定資金源は「自己資金」が87.4%を占めるが、20~40代は「両親など親族による援助」「民間金融機関の借入」の割合が50代以上より高い傾向にある。
リフォーム検討者の不安点としては「費用がかかる」(38.8%)「施工が適正に行われるか」(33.9%)が上位に挙げられ、検討者が事業者選定時に重視している点は「工事の質・技術」(29.3%)、「工事価格の透明さ・明朗さ」(27.6%)が多かった。
契約したリフォーム事業者のタイプをリフォーム実施物件種別にみると、一戸建てでは「地元密着の工務店」(37.5%)が最も多く、次いで「全国規模のハウスメーカー」(21.1%)、マンションリフォーム層でも「地元密着のリフォーム専業」(30.1%)が最も多い。全般的に全国規模よりも地域密着の事業者の割合が高かった。一方、回答したリフォーム事業者の業種は「工務店」が54.2%で最も多く、前回調査と比べて5.4ポイント上昇。リフォーム専業が23.4%で工務店に次いで多いが前回調査と比べて1.5ポイント下降している。
リフォーム工事の年間売上高の分布は、「1億円~5億円」(33.2%)の割合が最も高いが、前回から2.1ポイント下降。対して、「1000万円未満」(12.6%が3.0ポイント上昇している。リフォーム年間工事件数の分布は「10~100件未満」(41.6%)の割合が最も高く、リ推協は「前回より比較的中小規模の事業者や工務店の回答が増加したと考えられる」としている。
■事業者の半数以上がコロナの影響実感
コロナ禍での影響については、情報提供件数が前年度と比べて16.1%が増加したと回答。35.9%が減少したとしており、いずれにせよ「半数以上が変化を感じており、影響は少なくない」としている。
増加したと回答した事業者が特に感じた変化として、 「テレワークのスペースの確保」「換気設備の更新」「非接触型器機への変更」「温熱環境の改善」がそれぞれ3割程度挙げられた。
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