長谷工コーポレーション(東京都港区)は1月24日、日本政策投資銀行(東京都千代田区)、七十七キャピタル(宮城県仙台市)、竹中工務店(大阪市)、みずほ不動産投資顧問(東京都中央区)と共同で、木と鉄骨の混構造による環境配慮型オフィスビルの開発を目的とした不動産私募ファンドを組成したと発表した。竹中工務店は、設計施工会社として参画する。
同事業では、仙台市青葉区にて木造と鉄骨造のハイブリッド構造採用の賃貸オフィスビルを開発。木質ファサードや木質の共有バルコニーなど、内外装に木質材料を採り入れることで、利用者が安らげる共有空間を提供するとともに、杜の都・仙台の美しい並木通りとの調和を図る。フィルターの高性能化による空調対策や、エレベーターなどへのタッチレス機能導入など、ポストコロナ型のオフィス計画によって機能性・快適性にも配慮した空間づくりを実現。新しい賃貸オフィスのあり方を提案する。
柱梁や耐力壁には竹中工務店が開発した耐火集成材「燃エンウッド」を採用し、共用部の内外装仕上げにも不燃木材やCLT耐震壁を積極的に活用していく。竹中工務店のネットワークによって、東北圏内の地域産材を活用した地産地消型サプライチェーンを構築し、地域の森林資源の循環にも貢献する。経済性・社会性の両側面からESG投資の一つのモデルとして提案するとしている。
同物件(10階建て)の延床面積は約1万200m2、木材利用量は約200m3、CO2換算の炭素貯蔵量は約190tとなる。竣工は2023年の予定。
世界的に気候変動への対応が加速するなか、脱炭素に向けた取り組みは事業の持続可能性を高め、競争力を向上させる観点からも重要となっている。マンション建設における建物の木質化への取り組みは、資材利用時や製造時、廃棄時に発生するCO2削減に寄与するとして、同社グループは環境に配慮した事業プロセスを進めていく。
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