建設工事受注動態統計調査の不適切処理問題を受け、国土交通省は1月20日、再発防止と統計情報を遡って適正な姿に改定するための、2つの会議体を設置した。翌21日には、山田邦博事務次官など幹部職員と担当職員10人の処分を実施した。斉藤鉄夫大臣ら政務3役と山田事務次官、石田優・国土交通審議官は、就任から1月分までの給与(4カ月分)を自主返納するとしている。
新設した会議体のうち、「建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る再発防止策検討・国土交通省所管統計検証タスクフォース」は、再発防止策の検討のほか、国交省所管統計の一斉点検など検証等も行う。座長は山田事務次官が務め、審議官・局長と顧問有識者で構成。関係局の課長等で構成する幹事会が作業を補佐する。
一方、「建設工事受注動態統計調査の不適切処理に係る遡及改定に関する検討会議」は研究者・専門家で構成(座長=美添泰人・青山学院大学名誉教授)。同統計調査を適正な姿に遡及して改定するため、調査票の精査手法や推計手法等について検討する。
今回の統計調査の不適切処理問題を受けた職員の処分は、山田事務次官と石田国交審議官を訓告とした。統計部門トップの元大臣官房政策立案総括審議官や元建設経済統計調査室長など、歴代の担当幹部・職員7人を、減給3~1カ月の減給(1/10)と戒告の懲戒処分とし、1人を訓告処分とした。元総括審議官のうち1人は退職者のため相当額の自主返納を求めるとしている。
また、斉藤大臣、渡辺猛之副大臣、中山展宏副大臣は就任時から1月分までの給与(4カ月分)と賞与(1回分)を自主返納。加藤鮎子政務官、泉田裕彦政務官、木村次郎政務官は就任時から1月分までの給与(4カ月分)を自主返納する(大臣政務官の賞与額は返納可能額がない)。訓告処分となった山田事務次官と石田国交審議官は俸給月額の10%(1カ月)を自主返納するとしている。
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