一般財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC、東京都千代田区)はこのほど、「第9回サステナブル住宅賞」の入賞作品6点を発表した。
国土交通大臣賞には「都賀の家」(千葉県千葉市)が選ばれた。設計は日本設計・三好礼益氏と須藤建設・松田和己氏、施工は須藤建設。住宅街に建設された2階建ての木造戸建て住宅で、敷地の緑とまちの緑を暮らしに取り入れることを意識して設計することで、ランドスケープと建築の融合を目指した郊外型住宅を提案した。敷地内では「雑木の庭とまちの盆栽」の創出をテーマに多種多様な植生を取り入れ、室内からは周辺の植栽などが視線に入るように間口を配置。住み手とまちの人々が、四季を感じられるように計画されている。
環境性能は、CASBEEはSランク、UA値0.36W/m2K、BEI0.41で、HEAT20のG2グレードを満たす高性能を実現。冷暖房起因のエネルギー使用量の削減を可能にしている。高い気密性能や高効率な全熱交換器など、快適性や省エネを実現するための要素技術がくまなく計画されていることに加え、制振装置による安全性の確保や、雨水、再生可能な建材、リサイクル材の利用といった資源循環に対する配慮、周辺環境との調和など、持続可能性のための配慮がバランス良く組み込まれた設計となっている。質の高い住宅を供給し、住まい手の理解によって性能を発揮するという、サステナブル住宅の普及において模範となる住宅仕様と暮らし方だとして評価された。
このほか、一般財団法人建築環境・省エネルギー機構理事長賞には「SDGs 博士の家」(東京都世田谷区)、一般財団法人ベターリビング理事長賞には「ライオンズ芦屋グランフォート」(兵庫県芦屋市)、一般社団法人日本木造住宅産業協会会長賞には「洗える家」(埼玉県川口市)、板硝子協会会長賞には「深江竹友寮」(兵庫県神戸市)、硝子繊維協会会長賞には「焼杉と土壁漆喰の家」(埼玉県さいたま市)が選ばれた。審査委員長は、東京都市大学名誉教授・宿谷昌則氏。
表彰式は、1月21日に建築環境・省エネルギー機構(東京都千代田)にて開催。
同賞は、地域の気候風土や住文化を活かしつつ、居住環境の豊かさを維持しながら、省エネルギー、省資源、建物の長寿命化など環境負荷低減に配慮した、新しい住まい方を実現する先導的なサステナブル住宅を顕彰するもの。それらに関する設計、施工および運用管理技術等の向上と普及を図り、サステナブル社会の形成に寄与することを目的としている。
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