脱炭素社会の実現に貢献するため高性能窓へのシフトを加速するLIXIL(東京都江東区)は、トリプルガラスで0.98W/m2K、複層ガラス・アルゴンガス入りで1.44W/m2Kの断熱性能と、耐風圧性S-4等級、水密性W-5等級の国内最高水準の性能を備え、デザイン性も両立した高性能ハイブリッド窓「TW」をリリース。2月から西日本で、4月からは東日本で販売を開始する。
室外側に強度・耐久性に優れたアルミを、室内側には断熱性に優れた樹脂を採用することで、生活者の満足度を高める広い開口部と高い断熱性能を実現。極細のシンプルなフレームによりガラス面積を従来製品(同社)から約30%アップさせ、「より多くの光、景色を採り入れられる」という。同社執行役専務の吉田聡さんは「大切なのはフレームの素材ではなく窓としての総合的な価値。素材だけに固執するのではなく、地域により気候や風土が大きく異なる日本において、生活者がその地域で最も適した窓を選べることに重点を置いた」と説明する。
同社は1月6日には、リフォーム用として「1.23W/m2Kと欧州の新築基準レベルの断熱性能」を備えるトリプルガラス仕様の複合窓「リプラス(高断熱汎用枠)」を発売。壁や足場の工事が不要なため、「半日程度で、新築並みの高性能なトリプルガラス複合窓に交換することができる」という。同時に1.44W/m2Kの高断熱仕様のリフォーム用の玄関ドア「リシェント」も発売。窓、玄関の両方の開口部の断熱強化を後押しする。
同社は、脱炭素社会の実現に向け、「新築住宅とともに、日本の既存住宅の約9割を占めるという省エネ基準未達成の住宅の高性能化が不可欠」とし、新築、既存両方で高性能窓の普及を加速させる考え。2026年3月期までに戸建て住宅において、「高性能窓(2.33W/m2K以下)の出荷比率を100%にする」と目標を掲げる。2021年3月期における同比率は74%。
同社は昨年3月、自社の全窓シリーズを2022年3月期中に高性能窓に刷新する「窓事業戦略」を打ち出し、昨年中にアルミ窓「サーモス A」や樹脂窓「EW」、ハイブリッド窓「サーモスⅡ-H/L」を発売。1年をかけて進めてきた窓の高性能化の最後が「TW」となる。
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