当時は、銀行さんに毎月「お金足りないから、来月☆☆☆☆万円貸してねー」と書類を書けばアッサリ融資が下りる状況。
社長として経営面の数字も勉強しなきゃと思いはじめた私は、「何で、こんなに簡単にお金を貸すのだろう?銀行の弱みでも握っているのか?」と首をひねっていました。
増え続けた借金
粉飾決算書は作っていないから、赤字はそのまま赤字。どうしてこの決算書で借りられるのか?
また塩漬けになっている土地を処分しようにも、それがたとえ1物件であったとしても、他の収益が相当ある年しかその赤字分を相殺できない状況。
さらに土地の値下がりで、ますます増える含み損。
「金さえちゃんと回しておけば、命までは取られん!お金は貸してくれる、大丈夫!」という感覚が日常化するなかで、借金は増え続けました。
ところがある日、会長から「お前、来月から資金繰り交渉もやれな」と。前振りもなく銀行担当交代です。
これと同時に銀行さんの当社に対する姿勢は大きく変わりました。入金予定表、支払計画書、未契約顧客の状況報告と様々な書類を求められ、それを直接持ち込み、銀行の支店で毎月定例の会議が始まったのです。
その会議には支店長、融資担当に加え、銀行本部から支援特別スタッフがアドバイザーとして同席。「これからは、お客さんとの請負契約書もなければ、ユウシハデキマセン」との言葉とともに。
前月までフリーに融資していたのと180度違う対応ですが、今思えば当たり前の状況になったわけです。間取り作成大好き人間の私ですが、それからは銀行との折衝に時間を割かざるを得ない状況に。
まずは税理士に話を聞くと「なんとかせなあかんなあ」のたった一言。会長にアドバイスもらおうとすれば、「やっぱり厳しくなったか!いい苦労だ、お前にとって。あー、オモシロー」と、悩む私を見て笑いだす始末…。
それからは、文字通りの自転車操業を、倒産するまで続けたのでした(思い出すと涙が出そうだー)。
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