現行の住宅産業の中心は新築型ビジネスモデルにある。これにおいては何と言ってもハウスメーカーのビジネスモデル(商品開発、広告・営業・販売、設計施工を一貫して行う業態)の付加価値が最も高いものと思われる。
サプライサイドである建材製造企業や建材流通・調達企業も、川下のリフォームやメンテナンス、中古住宅のストック流通にかかわる企業も、販売元請型建設企業であるハウスメーカーには付加価値率ではとても及ばない状況であろう。
しかし、これはあくまでも、これまでのようにそれなりの 購買力を顧客が持ち、なおかつ新築志向が非常に強いという、日本の住宅市場構造の特徴が継続するという前提での話である。
だが、人口構造や社会情勢から見て、このような状況が今後も継続することはあり得ない。
日本の住宅市場および産業構造は想定よりもかなり早いタイミングで「新築型市場構造」から「ストック循環型市場構造」への変化が起こると考える必要がある(私はその変化は2014~15年に起きると考えている)。
次回にその主な理由を整理してみたい。
その[3]につづく
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