MSJグループ代表の鵜澤泰功さんによるWeb連載。今回も住宅産業における「スマイル・カーブ」化について論じていただきます。全文はフリーマガジン「未来通信」でお読み頂けます。また、新建ハウジングプラスワン2012年5月号、6月号でも抜粋を紹介しています。今後も新建ハウジングWEBにおいてシリーズでお届けします(編集部)
第2章 住宅産業のスマイル・カーブ化
住宅産業の現状と今後はどうだろうか。
下記に現状での住宅産業の事業プロセス別の付加価値の推定(あくまで私の推定による抽象的なもの)と今後(想定としては消費税値上げによる駆け込み需要が一巡した後の2015年以降)のスマイル・カーブのイメージをまとめてみた。
[グラフ3]のように現状の新築中心の市場構造にあってはスマイル・カーブ現象は表面化していないと見ている。しかし、新築型市場から「ストック循環型市場」へと市場構造が変わっていくに従って急速にスマイル・カーブ化が進展していくことになるだろう。
現段階では、事業プロセス段階別の業態の区別よりも、個々の企業間の力の収益格差が圧倒的に大きい。また現段階では、プロセス業態間の付加価値率の差よりも、同一業態同士の勝ち組と負け組の二極化現象の方が目立つ。
[グラフ4]も、本来であれば実際の事業プロセスおよび業態別のデータ分析からスマイル・カーブ化しているのかどうかの傾向を定量的に示すべきであるが、今回はあくまで経験値からの推測イメージを作成してみた。その点を前提として見て頂きたい。
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