竹中工務店(大阪市)はこのほど、免震建物を総合的にモニタリングする新しい防災ツール「免震総合モニタリングシステム」を開発したと発表した。
同システムは、地震後ただちに建物の健全度の目安が把握できる「建物健全度推定支援」と、同社が免震建物用に独自開発した地震後の免震層点検要否を表示する「免震層モニタリング」、日常の維持管理に活用する「免震装置変形遠隔監視」、さらに日常から地震時まで免震層の状況を目視確認する「画像監視」の4つのメニューを統合したもの。免振装置等の維持管理から、地震後の建物・免振層の健全度推定結果までワンクリックで確認可能で、各種点検や避難の目安などに活用できるという。建物の新築時だけでなく、現在使用中の建物にも導入可能。
各機能を1つのソフトウェアに統合しているため、導入作業やシステムメンテナンスも簡単、ローコストで運用できる。システムデータはウェブ上で管理され、パソコンやスマホなどでアクセス可能。全メニューを同時に導入した場合は、個別導入と比較して初期設定費(ソフト費含む)を30%程度、メンテナンス費を40%程度コストダウンして提供する。免震以外の建物には「建物健全度推定支援」メニューのみを導入できるなど、顧客のニーズに合わせてメニューを選択・追加できるフレキシビリティの高いシステムとなっている。
また、万全なシステムサポート体制による「免震あんしんサポートサービス」を合わせて提供。同システムを免震建物だけでなく、防災対策ニーズ全般に幅広く展開することで、地震後の事業継続、都市のレジリエンス向上に貢献するとしている。
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