G2化する際の最も大きな問題がコストと施工性。コスト増を最小限に抑え、ムラのない施工を実現する仕様の組み立て方について、東京・小平の人気工務店、ウッドシップ代表の酒井忠雄氏に聞いた。
気密確保①
基礎周りの気密性を高める工夫
◉建物C値は気密コンセントなど特別な気密施工をせずに1.0以下を確保するように工夫
◉対策その1:床断熱ではなく基礎断熱を採用
➡床断熱は柱の際などに隙間が生じやすく、貫通部も多い。これらに対して漏れなく気密処理を行う必要がある
◉対策その2:土台と基礎の間に気密パッキンを施工する(写真1)
➡基礎天端の不陸はセルフレベリング材で±1mm剃度を確保
◉対策その3:基礎と土台の取り合いにシーリング(写真2)
➡シーリング材の使用量はカートリッジ2本程度。これで大幅に気密性能を改善できる
➡かつてOMソーラー物件の煙試験で基礎と土台の取り合いが弱点ということを経験
気密確保②
桁周りで気密性能を高める工夫
対策その4:外周に耐力面材としてモイスTMを張り巡らせて気密性能を高める。気密テープ貼りは行わない
➡ポイントはモイスを桁天端まで張り上げ、垂木を桁と同面納まりとして密閉した箱をつくる(写真3)こと
➡垂木と桁の取り合いからの漏気は大きい。これを塞ぐことで確実にC値1.0が切れる
対策その5:軒を出すときは枠組壁工法の要領ではしごのように下地を組んで、軒部分だけ持ち出す
➡軒の出が大きいときは置き垂木にする
【他写真4枚、図5点】
この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン2021年8月号 コロナで見えてきた スマートビルダー&スマートハウス/攻めと守りの技術研究所・初めてのG2住宅』(2021年7月30日発行)P.108~に掲載しています。
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