アーキテクトビルダーとは、設計を付加価値にして顧客体験・満足を高めることができ、それによって評判になり、ブランドを構築できている工務店を指す。簡単に言えば「設計上手な工務店」だ。アーキテクトビルダーは、小さいからこそ魅力的で強い(経営)、理念を共有でき、プロスキルを持つ少数精鋭で外部のプロと連携しながら自分たちが納得できるものをつくっていく「スモールエクセレント工務店」の一つの理想の型だと考えている。
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「限定型・創造型」のビジネスモデル
アーキテクトビルダーのビジネスモデルは、マスに対してローコストで販売していく「量産型・販売型」とは真逆の、クオリティーを重視してそのクオリティーを維持できる範囲に仕事を限定しながら、モノを売るというよりは創造していくような「限定型・創造型」と言える。
設計力を高めることは、CX(顧客体験)・CS(顧客満足)の向上による評判の向上、自社スタイルの構築による「一目ぼれ」「差別化」、価値観の共有による顧客のフィルタリング(価値観を共有する顧客が集まりやすい)、ブランディング・単価アップ、脱注文住宅、生産性向上、ES(従業員満足)向上といった効果をもたらす。これらがアーキテクトビルダーとしてのメリットだ。
方向性は「強・用・美」
設計力を高めていく際の方向性としては、「強・用・美」を目安としたい。強は耐震等級3やHEAT20・G2レベルの断熱性能、耐久性などベースとなる基本性能のことで、最近はレジリエンス性(防災性能)といった点も注目される。強を押さえたうえで、用=暮らしやすさ、美=感性デザイン(美しさ・楽しさ・格好良さ)を実現し、それらを高いクオリティーで顧客に提供するための手法として、標準化がある。性能や設計ルールを標準化しながら・・・・・
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この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン11月号/工務店がつくる心地いい庭遊べる庭』(2020年10月30日発行)P.6〜に掲載しています。
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