新型コロナや主要建材の資材高騰・納期遅延、省エネルギーや脱炭素への取り組み、インフレなど、われわれ住宅業界の経営環境は決して楽観視できない状況だ。これら全ては、われわれがコントロールできるものではなく、いかにしてアジャストしていくかを常に考えておく必要がある。
一方で、こんな時だからこそ、人材育成=社員教育に力を入れることが大事だ。困難を迎えた時、対策を考えるのも、実行するのも社員である。その社員が正しく判断をし、正しく行動できれば、大抵のことは回避できると考えている。その根幹をなす社員教育は、社長教育でもあることを忘れてはならない。今回は私が考える人材育成について述べたい。
私自身は、ひだまりほーむの4代目社長に就任後の11年間、社員教育に時間とお金を注いできた。11年がたって思うことは、危機を迎えた時こそ、社員教育が功を奏すということ。コロナ危機においても、ひだまりほーむの社員は慌てることなく、笑顔で乗り切っている。
経営者や管理者の共通の願いは「自立した社員が欲しい」ということではないか。自立した社員とは、自分で考え、自分で行動し、自分で成果を出すという当事者意識を持つ社員だ。こんな理想の社員像をイメージすることが多いように思う。
社員はある日突然、優秀にならない
私自身もそういった社員を育てるべく、日々悪戦苦闘をしている。10年たってようやくその手ごたえを感じ始めている。が、そんなに簡単に社員は育たない。企業の本当の力とは、「自立した社員の数」であると考えている。1人でも多くの自立した社員を育てたい。ある日突然、社員が優秀になるという妄想は捨てた方が良い。じっくりと繰り返すことや毎日の積み重ねの中で社員は育つ。
大事なことは、社員教育とは、社長教育であるということ。社員を教育している気になっているが、実のところは、社長自身が育っているのだ。「社長の器以上に会社は大きくならない」とは、有名なマネジメントの格言だが、まさにその通りだと感じている。だから・・・
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