社会や地域の課題解決に向けて自社の家づくりや経営を重ねることが、社会から求められる工務店になるために有効だが、 そのアプローチは企業規模や地域性、経営者の考え方などにより、さまざまだ。 社会性や社会的使命を強く意識した家づくりや経営を実践する工務店経営者にビジョンと“現在地”、目指すべきゴールについて聞いた。
家印(富山県朝日町)社長・坂東 秀昭さん
人口1万1000人、富山県内で最も過疎化が深刻とされ、人口の半分を65歳以上の高齢者が占める地元・朝日町で、空き家の利活用を促進しながら、同時に空き家化を未然に防ぐといった活動を展開し、それを持続可能な工務店経営とリンクさせるビジネスモデルを実践している。社会や地域の「穴を埋める(課題を解決する)」ことがビジネスになる時代だと考えている。
リノベ事務所を地域の交流拠点に
朝日町で設計事務所として起業したものの、ずっと仕事のない状況が続き、経営をあきらめようかと思うなかで、友人とともに空き店舗をDIYで事務所にリノベーションしてシェアしながら、「多くの人に楽しんでほしい。にぎわいの拠点となるような場所を提供したい」との想いから、建物を地域の人たちに開放。住民や移住してきた人たちの悩み相談、地域の音楽家のコンサートなどのイベント開催といった、まちおこしの活動を始めた。その活動により仲間がどんどん増え、Facebookで300人以上を超えるコミュニティができた。
そこから地域から徐々に自分(自社)に対する信頼が生まれ、空き家を利活用したいという相談が舞い込むようになり・・・
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