社会や地域の課題解決に向けて自社の家づくりや経営を重ねることが、社会から求められる工務店になるために有効だが、 そのアプローチは企業規模や地域性、経営者の考え方などにより、さまざまだ。 社会性や社会的使命を強く意識した家づくりや経営を実践する工務店経営者にビジョンと“現在地”、目指すべきゴールについて聞いた。
あすなろ建築工房(横浜市)社長・関尾 英隆さん
2020年の夏頃からニーズが増え始め、現在は設計開始までに時間を要する状態だ。さらに、設計に半年以上、施工にも半年を要するので、実質引き渡しは数年後になる。これ以上お客様を待たせすぎないよう、確かに存在するニーズに応えるためにも、回転率を上げたいと考えている。
同じタイミングで、働き方改革にも取り組み始めた。残業を減らし、かつ収入を維持するには、生産性を高めて効率化を図り、同時に適正な利益も得なくてはならない。
2つの問題の解決策として、来年4月上棟予定の住宅で、大型パネルを初めて採用する。実は、社員大工からもパネル化による生産性向上の可能性を指摘する意見があった。私の考えとも整合したので、採用に踏み切った。
「週休1日」のおかしさに気づく大工たち
北欧の社会は、労働時間は短いものの生産性がとても高く、収入も多い。これが働き方改革のひとつの答えではないかと思う。欧米、特に北欧の人は、労働量の上限がはっきりしていて、無駄を削ろうと考える。対して日本人は、私もそうだが、足し算するのが常。常に安全側で物事を考え、やることが増えていく。
働き方改革は、まずこの意識を変えていくことから始まる。この1年間、社員が持ち回りで講師を務める勉強会を、2週間に1度のペースで続けている。取り組みを続けていくうちに、何と大工から週休2日制を求める声が挙がるようになった。社員大工は実質週休1日だったのだが・・・
⇒ この記事は定期購読者限定の記事です。続きは、最新号『新建ハウジング新春特集号 3面』に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。