今回は2021年を振り返り、資材高騰と景気低迷といった不安定な時代にナノ工務店の取るべき戦略を検証する。
現在、コロナ禍による世界的なコンテナ不足や出入国制限などから慢性的に資材が不足し、欧州の脱炭素化の動きから原油やLNG価格なども高騰している。一方、国内の経済活動は制限され、GDPは低迷。価格上昇と不況が同居するスタグフレーションが発生している。
これらの影響で住宅価格は大きく上昇。一方で世帯年収は伸びず、来年は戸建て住宅の需要が減ると見られる。まずはその内訳を推察する。
来年以降の市場はこう変わる
世帯年収別にA〜Cの3層に分けて考える[上図参照]。C層は世帯年収500万円、B層は750万円、A層は1000万円だ。この金額は首都圏の場合で、地方は20%前後割り引いて考える。
C層向けの提案の中心は建売やローコスト住宅。B層は注文住宅のボリュームゾーンでコスパを重視した注文住宅のほか規格住宅も増えている。手掛けるのは地域工務店が中心。性能は中の上程度、間取りや仕様のオーダーメード度合いを抑えてコスト調整を図る。A層向け住宅は大手ハウスメーカーとアーキテクトビルダーと呼ばれる工務店が提案している。後者は高性能の躯体をベースにした建築家風の空間に自然素材と大工造作で味付けした住宅となる。
A〜C層で価格上昇の影響は異なる。C層向け住宅は・・・
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