岸田木材(富山県氷見市)は、竹田事務機(京都市)が運営する筆記具ブランド「文染」との共同企画で開発した「ひみ里山杉からできたインク / ひみ里山杉からできたつけペン」を12月から販売開始した。
富山県の氷見杉を「ひみ里山杉」としてブランド化し、県産材の活用推進などを展開する同社は、丸太を製材する過程で生まれる木の皮を再活用するため、天然染料を使ったインクを製造する竹田事務機とコラボ。京都草木染研究所協力のもと、草木染めの仕組みを用いて杉の皮から色素を抽出し、天然染料が主成分の筆記用インクとして製品化した。
インクは、木のぬくもりが感じられる優しく深い褐色の色合いと、杉の香りを楽しむことができる。つけペンには、ひみ里山杉の圧縮材を使用。今後、「ご当地インク」として、全国へ富山の新たな魅力を発信していくという。
商品価格(税込)は「ひみ里山杉からできたインク」2750円、「ひみ里山杉からできたインクとつけペンセット」7150円。「岸田木材オンラインショップ」他で販売中。
同社は、利用価値のない大量の木の皮を「日常の暮らしに溶け込んだ身近なものとして生まれ変わらせたい」という思いから、同製品を開発。色素を抽出した樹皮は、セルロースが抜けて分解しやすくなり、堆肥を作るコンポストなどで再利用が可能になるという。杉の皮をアップサイクルし新たな価値を生み出すだけではなく、新たな好環境を生みだすなど、SDGsにも配慮した商品。里山の保全のため「木の日常消費」ということをテーマに掲げ、暮らしの中で楽しく木を消費できる仕組みを同商品を通じて伝えていくとしている。
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