大林組(東京都港区)は、同社が発行している広報誌「季刊大林」の中で、新しい街づくりのかたち「OWNTOWN(オウンタウン)」構想について明らかにした。
同構想は、デジタル空間に現実の街を再現し、住む人の手で快適に暮らせる環境を築き上げる、新しいアプローチによる街づくりの試み。デジタルツイン(仮想空間でリアル空間を再現する技術)を活用し、住む人の様々な思いやアイデアをデジタル空間で具体化し、シミュレーションを重ねることで皆が納得する案に仕上げていく。その最終形をリアルな街に反映していくことも可能だ。
OWNTOWNでは、街づくりに関するさまざまなデータが格納されている「建築プラットフォーム」を用意。誰でも簡単に利用できる建設アプリで対話するだけで、住む街(場所)選びから施工計画づくりまで行える。
インフラや住まい、街を構成する施設はすべてユニット化。玩具のようにユニットを組み立てたり組み替えたりすることで多様な街をつくることが可能で、デジタルの計画速度と現実の街の変容速度のスケールが近づき、建設プラットフォーム上で誰もが街づくりを考えやすくなる。また、これまでのユニット建築はコンテナ状を組み合わせるようにして空間をつくり出していたが、OWNTOWNでは、部材・部品をモジュール化しそれらを組み合わせてユニットをつくる。従来のユニット建築ではサイズや色を選べる程度だったのが、デザイン・機能の自由度が飛躍的に高まり、多くのニーズへの対応が可能となる。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。