リノベる(東京都渋谷区)は、テクノロジーを駆使した中古住宅流通とリノベーションプラットフォームの構築を加速させている。直近2年で4種のプロダクトを開発。住まい手だけに留まらず、パートナーの工務店や設計事務所とワンストップでのリノベーションの体制を強化させながら、最新テクノロジーでリノベのあらゆる課題解決に取り組んでいる。
同社では工務店や住宅会社、不動産会社などのパートナーとの連携を行うことで、エンドユーザーは同社への依頼のみで、リノベーションを完結できるワンストップリノベーションの仕組みを構築している。12月に同社東京本社で開かれた体験会では、4つのテクノロジーについて説明が行われた。それぞれの特徴を紹介していく。
〈中古不動産マッチング支援システム「R CORE」〉
予算や希望の条件に沿った最適な中古不動産を提案するマッチング支援システム。AI不動産査定サービス「HowMa(ハウマ)」を運営する株式会社コラビット(東京都港区)と共同開発した。希望条件をマップ上に可視化することで、意思決定をスマートに行うことができるマッチング支援に特化したもの。AIで推定したエリア別の相場と実際の売出物件情報を複数条件で絞り込んでいくことが可能だ。
〈sugata〉
同社が現在までに蓄積したリノベーション実績を元に、事例から最適なスタイルを自動で提案するオンラインサービス。PCやスマートフォンから利用可能だ。実例写真から好みの写真を選ぶことで、デザインテイストやパーツの組み合わせが提案される。提案された内容はカスタマイズでき、オプションの中からより好みのデザインを選ぶことができる。仕様書の自動生成機能により設計業務で必要不可欠な仕様書をsugataのデータをベースに自動生成することで、設計者の業務負荷を軽減する。
〈遠隔施工管理プロダクト(仮称)〉
静止画を用いた現場確認機能と人感センサーによる人検知機能の遠隔施工管理プロダクト。機器の用意や持ち運び、設置、電源の確保の難しさを解決するため、スマートフォン1台とカメラ1台から設置できるようになっている。
現場確認機能は静止画を用いており、通信量を抑えながら映像と比較して高画質で現場確認を行える。人検知機能は現場の入り口に5m以内で反応する人感センサーを設置することで、防犯や人の出入りの管理ができる。現場で施工者がシステムを操作する必要がなく、作業の妨げにならない。
〈ARリノベ〉
ARを活用したリノベーション買取再販事業者向けプラットフォームサービス。物件の間取りは販売観点や実績を踏まえて同社が独自提案する。リノベや買取再販事業をゼロからスタートする事業者も参入障壁が低くなる。物件ごとにARでセレクトできるパーツは変更が可能で、ARを活用するのに最も効果的な箇所を提案し、実装できる。
たとえば、キッチン、アクセント壁などが未設置の8割の完成状態で内覧及び販売を行い、エンドユーザーがARを活用してイメージを確認しながら意思決定することができるという。
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