政府は12月24日、2022年度予算案を閣議決定した。一般会計総額107兆5964億円で過去最大を更新。公共事業関係費は6兆575億円、国土交通省関係予算は5兆8508億円(公共事業関係費5兆2480億円)を計上した。
このうち、公的賃貸住宅家賃対策補助事業において「住宅セーフティネットの拡充」を盛り込んだ(125億円の内数)。具体的には、セーフティネット登録住宅の家賃低廉化について、子育て世帯等の収入要件を緩和。これまでは収入分位25%以下の低所得世帯を対象としていたが、多子世帯については収入分位25~50%、子育て世帯・新婚世帯は収入分位25~40%に対象を拡充する。
また、低額所得者等が災害リスクの高い地域等からセーフティネット登録住宅へ移転する場合の住替え費用を支援対象に追加し、災害リスクの軽減を図る。
そのほか、公共事業関係費では、防災・減災や国土強靱化関連予算として3兆8736億円(対前年度比1144億円増)を計上。災害に強い安全なまちづくりに向け、災害リスクの高い地域からの移転促進などを都市構造再編集中支援事業(700億円)の支援メニューに追加し、防災指針に基づく取り組みを加速化する。これまで、土砂災害防止法に基づいて都道府県知事が行った移転勧告は2戸に止まっており、来年春頃を目途に、まちづくりと併せた土砂災害リスク回避の一環として、同法の考え方の改善も含めて、移転が促進される仕組みを構築する。
浸水対策関連では、「浸水を許容する区域」を支援対象に追加することで、当該区域から安全なエリアへの住宅移転を支援。都市機能のまちなか移転についても、「浸水を許容する区域」から移転する場合に限り、金融機関等の公共性が高い民間施設も対象に追加した上で、移転を支援する。被災エリアからの集団移転に関する支援については、空き家等の既存ストックの利用ができるよう要件を緩和する。
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