富士経済(東京都中央区)はこのほど、脱炭素化の実現に貢献する機器として注目を集める、ヒートポンプ機器の世界市場についての調査結果を「ヒートポンプ 温水・空調市場の現状と将来展望 2021」にまとめ発表した。
空調・暖房/給湯機器の2021年の世界市場は、新型コロナの影響が続くものの、中国の需要が回復していることから、前年比2.4%増の14兆5934億円を見込む。今後、脱炭素化や化石燃料の消費抑制が進み、燃焼式から電気式へ移行することから、業務・産業用燃焼式給湯機器は縮小。電気式は、住宅向けと業務・産業向けの空調/暖房機器が大きく伸長し、2035年の市場は2020年比59.0%増の22兆6717億円が予測される。
この内、住宅向けヒートポンプ式給湯機については、新築のオール電化住宅での採用により拡大。また、2010年前後に導入した機器が更新時期に入っており、需要は伸長する。2025年以降は落ち着くものの、中長期的には再生可能エネルギーによる自家発電等の増加で需要が伸びると予測。
海外では中国で生活水準の向上により新築戸建住宅の高所得者層でヒートポンプ式の需要が増加し市場が拡大している。今後、規制強化により冷媒にR32が使用できなくなる恐れから、日系企業が展開する自然冷媒(CO2)のエコキュートへの需要が高まり、市場拡大が予想されるとしている。2035年の世界市場予測は、2020年比169.5%の4120億円。
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