「住宅産業大予測 2022」は、工務店向け専門紙「新建ハウジング」の付録として毎年 12月に発行している「工務店のための」予測本です。
100%工務店のために書いているので、工務店と工務店を応援する企業・人にしか役に立ちません(それ以外の方が読むと気を悪くされるかもしれません)。
新建ハウジングは「変えよう!ニッポンの家づくり」をメディアポリシーに掲げ、創刊以来、工務店の皆さんと一緒に、ニッポンの家づくりをより良く変えてきているつもりです。
今でも日本の家の半分は工務店がつくっています。
また、工務店はスモールカンパニーなので、社長の決断 1つで家づくりも、経営も変わります。
日本の家の半分を担う工務店がより良く変われば、日本の家づくりは確実により良くなり、住まい手に、社会に貢献できる。
その家で豊かな暮らしを楽しむ住まい手を増やしたい。未来に負荷をかけない家を増やしたい。
これが新建ハウジングが工務店を応援する理由の 1つで、実際、工務店の家づくりと経営のレベルはどんどん上がっています。
私たち新建新聞社は長野市に本社を置く地域企業ですが、工務店もまた地域企業です。
地域企業は地域の雇用と経済を担っています。工務店が元気になれば地元も元気になります。工務店はまちづくりに関わることで、人・企業を結ぶハブとなることで、地元を元気にできます。
これは全国や広域で事業展開する量産会社との違いで、同じ地域企業として新建ハウジングが工務店を応援する理由の1つです。
工務店はみな魅力的な個性をもっています。
個性があれば直接競合しないはず、工務店同士ゆるやかにでも連携できるはずです。
工務店がつながり連携していくことで、課題も機会もシェアでき、切磋琢磨しながら地力を高め、消費者への、市場での存在感を増し、シェアを高めることができるはずです。
このことは、木がたくましく育ち、豊かな森となり、地域の生態系を豊かに維持していく姿と重ねることができます。工務店の森を地域に増やしていく。これが新建ハウジングが目指すゴールの 1つです。
一方で、外部環境は常に変化し、課題と機会が生まれています。この「住宅産業大予測」は来年の課題と機会を整理し、経営と家づくりをアップデートするためのコンパス(羅針盤)となるべく編集しています。
2022年の大きな課題は資材ショックに代表される供給制約と悪いインフレで、これらは利益を押し下げ経営を圧迫します。
また、人とモチベーションが希少化するなか、「人間中心主義」の経営が問われています。
解決する 1つの解が、型をつくり、標準化し、DXして、徹底することだと考え、これらを 2022年度版のテーマとしました。
経営の持続には、1年先を考えながら 10年先のビジョンも必要で、またそれすら変化に即して調整していかないといけません。
本書では 10年の計・生き残りビジョンを考える材料も示したつもりです。
本書は 1人の書き手の視点で整理・提案した解の 1つに過ぎませんが、そのぶん論旨は明快です。賛否含めて皆さんの思考のヒントになれば幸いです。
書き手・三浦祐成(新建ハウジング発行人)
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。