国土交通省が毎月公表する「建設工事受注動態統計」でデータを無断に書き換えるなどし、二重に計上していたことを12月15日付の朝日新聞が報じた。
この統計は建設業者が公的機関や民間から受注した工事実績を集計したもので、回収を担う都道府県に書き換えさせるなどし、公表した統計には同じ業者の受注実績を「二重計上」したものが含まれていた。書き換えは年間1万件ほど行われ、今年3月まで続いていたという。二重計上は2013年度から始まり、建設業の受注状況が実態より過大になっており、統計法違反に当たる恐れがある。
書き換えていたのは、業者が受注実績を毎月記し、提出する調査票。同省は、回収を担う都道府県の担当者に指示して、業者が提出期限に間に合わず、数カ月分をまとめて提出した場合に、この数カ月分の合計を最新1カ月の受注実績のように書き直させていた。
このことを受け、この日の衆議院予算委員会で立憲民主党の階猛衆院議員が追及。斉藤鉄夫国交相は「過去に集計の過程において事業者から期限を過ぎて提出された過去分の調査票の情報を当月分に含めて統計したことは事実です」と認め、「大変遺憾であり、おわびを申し上げます。再発防止の徹底に努めてまいります」と陳謝した。また、「令和1年から運用の改善を行なった」と説明した。
岸田文雄首相も「大変遺憾な事であり、どうしてこういったことになったのか、二度と起こらないよう再発防止に努めなければならない。これは当然のこと。今日までの経緯を確認する、再発防止のためにどういう形でやるべきなのか至急検討し対応したい」としたが、第三者委員会の設置は明言しなかった。
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