SMB建材(東京都港区)と三井ホームコンポーネント(東京都中央区)はこのほど、新しい木造ハイブリッド工法「M-HR工法」を開発したと発表した。
同工法は、SMB建材の木質二方向ラーメン構造「サミットHR工法」と「ツーバイフォー工法」を組み合わせたもので、1階部分は大空間を得られる「サミットHR工法」、2・3階部分は用途別利用に対応しやすい「ツーバイフォー工法」を採用。これにより、1階に大開口の飲食店等の店舗や駐車場、2階は貸事務所や共同住宅など、用途に適した空間構成でコストバランスがとれた建築提案ができるという。
同工法は、木造化により建設時のCO2排出量を大幅に削減。RC造と比較すると、モデルプランでは1階部分(床面積236m2)で81.42tのCO2が削減可能となる。RC・S造の混構造と比較して建物重量を軽量化できるため、基礎杭や地盤補強等の基礎設計をスリム化できる。また、木造化することで税法上の耐用年数が短くなるため、有利となる場合があるという。
1階と2階の接合部(ツーバイフォー最下階である2階柱脚)には高い引き抜き耐力が要求されるため、GIR接合されたボルトとホールダウン金物を緊結する独自技術(特許申請中)を採用。サミットHR工法では集成材・LVLを使用可能で、ツーバイフォー工法部分と合わせ、地場産材を活用できる。木造住宅倒壊解析ソフトウェアwallstat(ウォールスタット)による解析を行い、RC混構造建物と同等の耐震性を有することを確認済み。なお、同工法の取り組みはSDGsの5つの目標達成にも貢献している。
両社は、同工法を通じて「新・木造ハイブリッド工法」という新たなカテゴリーを創出。非住宅建築物の木造化・木質化を促進することで、更なるCO2 排出量削減、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。
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