前号に引き続き、工務店ミライセッション2021の各セッションの内容を抜粋して紹介する。11月18日の第3セッションでは、エコワークス(福岡市)社長・小山貴史さんとアルティザン建築工房(札幌市)社長・新谷孝秀さんに、有識者として東京大学大学院・前真之准教授を加え、3人で“工務店らしいリノベーション”のあり方を議論した。
成功事例の評価
――戸建ての性能向上リノベーションに取り組む工務店2社の事例を、前先生はどう評価するか。
前 小山さんには、工務店経営者として、ビジネスをどう回すかをお話ししていただいた。高性能住宅がどんなにいいものであっても、会社の経営が成り立たないのでは意味がない。いいことを続けるために、とても緻密に考えているという印象だ。
新谷さんは、私が重要だと考える「効果と信頼の見える化」を真摯に実践されている。お客様にちゃんと(リノベーションの効果を)見せて、喜ばれている。まずは目の前のお客様のために実践し、結果的に地域社会や地球のためにもなっているのがとても素晴らしい。
見学会の効果は大
――リノベーションの効果を伝える際、何を重視しているか。
小山 やはり見学会だ。特に冬の見学会では、参加したお客様に、体感によってリノベーションでいかに暖かくなるか、きちんと伝えられていると思う。
新築は、今やどの住宅会社も高断熱を訴求しているから、そもそも期待値が高い。リノベーションは「マイナス100をプラス100に」ができるので、体感による(意識の)変化の幅が大きい。
新谷 体感していただくのが一番だと考える。弊社は、完成した住宅を、お客様から1日だけ借りてオープンハウス(見学会)を行っている。
また、こちらが黙っていても何も伝わらないから、どんどん発信しなくてはいけない。・・・
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