米商務省がこのほど発表した「新設住宅着工」の「四半期ごとの目的・デザイン別の着工数及び竣工数(Quarterly Starts and Completions by Purpose and Design)」で、アメリカにおける新築戸建て住宅のサイズが増加傾向にあることがわかった。
新型コロナウイルスの感染拡大は人々のライフスタイルに大きな影響を与えている。外出自粛やリモートワークの増加などによって、「家」に期待する役割の見直しが進んでいる。発表されたデータによると、より快適に過ごすため・仕事や勉強に集中するためのスペースを、居住者及び住宅購入者が求めていることを示唆している。
2021年第3四半期の「四半期ごとの目的・デザイン別の着工数及び竣工数」によると、アメリカにおける新築戸建て住宅の床面積の中央値は約217m2で、平均値は約236m2だった。昨対比で中央値は約210m2から3.1%増加し、平均値は約230m2から2.7%増加した。
データを地域区分別に見ると、米北東部における値の増加が顕著だ。新築戸建て住宅の床面積の中央値は前四半期から5.6%、前年から9.4%増加して約245m2、平均値は前四半期から1.2%、前年から5.5%増加して約262m2だった。
2016年から2020年にかけては、初めて住宅を購入する層に向けたいわゆる「スターター・ホーム」が多く建設されたため、アメリカにおける新築一戸建て住宅の床面積は減少傾向にあった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により住宅購入者の嗜好が変化した結果、トレンドがシフトして住宅サイズは増加に転じることとなった。
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