帝国データバンク(東京都港区)はこのほど、全国の企業を対象に「後継者不在率」動向調査を実施した。
その結果、2021年の全国・全業種約26万6000社において、後継者が「いない」、または「未定」とした企業は16万社に上った。後継者不在率は61.5%。2020年の不在率65.1%から3.6ポイントの改善、4年連続で不在率が低下し、調査を開始した2011年以降で最低となった。
業種別では、全業種で前年を下回り、かつ不在率70%を下回った。全業種で不在率が70%を下回るのは調査開始以降で初めてで、全業種ともに過去最も低い。不在率が高いのは建設業(67.4%)だったが、調査開始以来の70%割れとなった。
2017年以降の事業承継について、先代経営者との関係性(就任経緯別)をみると、2021年の事業承継は「同族承継」により引き継いだ割合が38.3%に達し、全項目中最も高かった。しかし、2017年からは3.3ポイントの低下となり、親族間の事業承継割合は緩やかに縮小傾向をたどっている。代わって存在感を発揮しているのが、血縁関係によらない役員などを登用した「内部昇格」で31.7%となり、同族承継に次いで高い水準となったものの、前年からは割合が低下した。
後継候補が判明する全国約10万社の後継者属性をみると、「子供」が最も高く38.5%。前年からは1.9ポイント減少した。子供を後継者とする割合が全体の4割を下回るのは調査開始以降初めて。他方、現社長の就任経緯が「内部昇格」、「外部招聘」、「その他」(買収など)である企業については、社内外の第三者である「非同族」を後継候補に位置づけているものが多い。
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