戸建てリノベの一般への認知が少しずつ進んでいる。本格的に取り組む工務店も以前より増えてきた。一方で受注が伸びず、苦戦している工務店も少なくない。⼾建てリノベ事業を成功させるために必要な体制とその運営、営業手法について、⼾建てリノベを1000棟以上手掛けた経験をもつ自然派ライフ住宅設計(新潟市)代表の大沼勝志氏に取材した。
リノベ市場とは?
リノベ客はどこにいるのか。郊外と都市とでは対象となる顧客や住まいがどう異なるのか。分かりやすく解説する
要点①市場縮小への対策としてリノベは最適
リノベ市場の特性を分析し、どのように取り組むべきかを探ります
① 新築着工戸数は減少で競争は益々激化
◉ 工務店には大手に勝てる武器が必要
➡ ブランド・宣伝力では負けるので技術力で勝負する
◉ 同時に市場縮小で幅広い予算の顧客に対応する提案も必要
➡ 新築でローコスト提案は競争過多のため難しい
②リノベは潜在需要が中心
◉ リノベの需要は多いが掘り起こしが必要
➡ 見込み客にはリノベはそれほど認知されていない
◉ 見込み客に「リノベなら要望が満たせる」と教える
◉ リノベならコストを掛けても新築よりリーズナブルと認識させる
③リノベは競争相手が少ない
◉ ハウスメーカーがリノベを手掛けるのは自社物件のみ
◉工務店のリノベ参入はごく一部
◉ リノベを謳うリフォーム会社は増えたが多くは看板のみ
④リノベはコスト競争になりにくい
◉ リノベは坪単価の物差しが確立していない
➡ 見込み客はリノベのコストを総額で判断。新築と比較される場合も坪単価競争になりにくい
◉ リノベは工事金額を高める提案がしやすい・・・・
この記事は、『新建ハウジング別冊・ワンテーママガジン12月号/工務店の経営を支える設計力』(2021年11月30日発行)P.42~に掲載しています。
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