パナソニック(大阪府門真市)は12月1日、同社が2012年7月から同年12月に製造したテレビドアホンの4品番について、事故防止のためのリコールを実施すると発表した。室内側モニター親機の内部基板に搭載した部品の一部が劣化し、発煙に至る火災認定事故が4件発生したことを受けたもの。なお、これらの事故で人的被害、製品本体からの発火や拡大被害はなかった。また、製品は、内部の安全機構と基板や筐体に使用している難燃材料により温度上昇が収まる構造になっているため、異臭や発煙、異音などの現象は起きても、発火や拡大被害に至る危険性はないとしている。
今年8月に3件の発煙事故があり、調査の結果、製品内部の基板上でパターンやコイル部品が焼損していたことから、この部分で短絡が発生し、発煙に至ったと原因を推定。昨年8月にも1件の発煙事例があり、その時は原因を特定できなかったが、その後の調査でいずれもコイル部品に赤リンの含有が認められた。コイル部品メーカーと調査を進め、納入仕様書に記載のない赤リンを含有した樹脂が、一時期コイル部品の材料として使用されていた事実を確認した。これにより、室内側モニター親機内部の基板に一時期使用された赤リンを含有したコイル部品が発煙事故の原因と判断し、この時期に製造された4品番をリコール対象(下表、同社ホームページより)とした。
また、発煙の原因となる部品を使用した修理用基板が、2012年7月から現在までに対象製品の修理に使われた可能性があり、製造期間に関わらず同基板で修理を受けた製品もリコール対象の可能性があるとしている。
なお、2013年以降に製造された製品は、赤リンがコーティングされたコイル部品が使われており、高温高湿の環境下でも発煙に至る溶出がないことを信頼性試験で確認し、リコールの対象外とした。
同社では今回のリコールをホームページ内で知らせるとともに、12月1日、フリーダイヤルの問い合わせ窓口を開設した。フリーダイヤル:0120-878-182 受付時間:9時~17時
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