SE構法を全国の登録施工店を通じて供給するエヌ・シー・エヌ(東京都港区)は5月から、Sボルト(ラグスクリューボルト)を全棟で採用するなど同構法の全面リニューアルを行う。
具体的には、Sボルトと1級合板を標準仕様とすることで、より地震に強い、本格的な木造ラーメン構法を実現できるようにした。また、国産材の積極利用と大規模建築物への対応を視野に入れたリニューアルとなった。
主なポイントは次の2つ。
■Sボルトを全棟で採用し剛性2倍に
Sボルトは、直径16ミリの胴部分に特殊な凹凸形状を施した専用ボルト。凹凸が木材に食い込むため引張耐力と剛性が高まり、従来比2倍の曲げ剛性を実現した。さらに、経年変化による木のやせにも対応。SE金物とSボルトの接合部が柱と梁に食い込んで定着することにより木が収縮しても剛性を確保、ほかの材料に比べるとヤング係数が低い国産スギ材の採用にもはずみをつける。
また、最大スパン9mで日本建築センターの構造評定を取得した。
■1級合板を標準に
従来のSE構法では、JAS規格による2級構造用合板を採用していた。これとCN釘による耐力壁であれば、東日本大震災でも確認された繰り返しの揺れにもねばりとせん断強度を発揮し、元に戻ろうとする力がはたらくことが実証されている。ただし構造用合板は今後、急速に国産スギ材にシフトする可能性があることから、求める強度を担保するため1級構造用合板(9mmのみ)の標準採用に踏み切った。
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